お題. 好きなもの100個

お題「好きなものを100個、ひたすら書き出してみる」

好きなものに限らず好きなことなどもぐちゃぐちゃに混ざっている。順番も思いついた順番のまま。結果を見ると、記憶や風景と結びついているものが多い。家族や友達がこの100個を見たら、私が挙げたとわかってしまうような気がする。好きなものをどんなふうに思い浮かべるか、どんなものが好きなのかって、けっこうな個人情報なのかもしれない。

  1. 白いごはん
  2. 散歩してる犬
  3. 晴れ
  4. 冬の刺すような冷たい空気
  5. 落ち葉
  6. 山あいの川
  7. 温泉
  8. 真冬の露天風呂
  9. 瓶のフルーツ牛乳
  10. 図書館
  11. 絵本
  12. 外国文学
  13. 祖母の味噌焼きおにぎり
  14. 祖母のシーフードカレー
  15. 祖母のドリア
  16. 母のキッシュ
  17. 父のたまご焼き
  18. 兄弟が描く絵
  19. 地元の野良猫
  20. エゾリスのおなか
  21. はさみ
  22. ぬいぐるみ
  23. スズメ
  24. 名前のわからない鳥
  25. 夕焼け
  26. 透明の水たまり
  27. 川みたいに流れている水たまり
  28. 星空
  29. 鉛筆の音
  30. Lo-Fi
  31. マーチ「エイプリル・リーフ」
  32. バレエ
  33. ワンピース👗
  34. 夜景
  35. 風のない日の雨
  36. 革財布
  37. パンツスーツ
  38. 制服
  39. くせ毛
  40. めがね
  41. タオルケット
  42. 香水
  43. ラメのアイシャドウ
  44. カリカリに焼いたホルモン
  45. 宴会、飲み会
  46. ハグ
  47. 幼馴染との長電話
  48. 味噌汁
  49. オモコロの記事
  50. VTuber
  51. ボカロ、合成音声
  52. ニコニコに上がってる料理動画
  53. 犬が食べ物食べてる動画
  54. 動物が洗われている動画
  55. ゲーム
  56. 麻雀
  57. カラオケ
  58. 餃子
  59. 実家の箸置き
  60. 自分が書く文字
  61. 昔描いた絵
  62. ガサガサのタオル
  63. 冷たいシーツ
  64. ホテルのベッド
  65. テントの二重になってる出入り口
  66. どんぐり
  67. 白鳥
  68. 地元のホール
  69. パートで使っていた音楽室内の小部屋(高校)
  70. 楽器庫(高校)
  71. 音楽準備室(中学校)
  72. 通学路から逸れた坂道
  73. つらら
  74. 体育館のステージの階段(小学校)
  75. 図書室
  76. 学校の窓から見る景色
  77. 教室のオルガン(小学校)
  78. 紅茶
  79. ガタンゴトンっていう電車の音
  80. 叔母とのおしゃべり
  81. 果物
  82. 野菜
  83. クリスマス
  84. イルミネーション
  85. ドライブ
  86. ショッピングモール
  87. ラケット競技
  88. 散歩
  89. 花見
  90. お祭り
  91. お祭りの出店
  92. 花火
  93. 病院
  94. 水族館

21. 歩いて逃げる

 友達と一緒に現実逃避をした。やらなければまずいことをたくさん抱えている状態で、それらを完全に放置して、カラオケに行った。3時間たっぷり歌った。家で腐っているより、思い切って外に出てぱあっとやった方が良いのだ。はっはっは!とても楽しかった。

 帰り道、友達はめちゃくちゃ焦った顔をしていた。付き合わせてしまってごめんなさい。でも一緒に来てくれると言ったのもあなただから。そんなこと言っちゃいけないか。断りにくい気持ちもわかるし……。次はもっと丁寧に同意を得ます、合意を形成します。ごめんね。今日はありがとう。

 最寄駅に着く前に電車を降りて、ゆっくり歩いて帰った。歩いている間は現実逃避が正当化される気がする。移動しているから他のことができなくて仕方がないね、という感覚。乗り物での移動だと、他のこともできるよね?って気持ちがどこかにある。歩いているときだけちゃんと逃げられる。逃げないのが一番いい。

20. 春休みから引きずり出される

 春になってきた。春休み中はずっと布団にもぐってスマホを見るか寝るかだったけれど、それでもスズメの鳴き声がまた聞こえるようになったことだけは分かった。(私の家はちょうど布団の耳元のあたりに塀があって、春になると毎朝その塀でスズメの集会が開かれる)
久しぶりに外を歩くと、空気も景色も、聞こえる音も、春の気配がしていた。風に刺さるような冷たさはなく、明るい日差しがあり、乾いたアスファルトと砂利の音がする。道のわきにはまだたくさん雪が残っているけれど、それもどんどん溶けている最中で、たっぷりの水がたまったり流れたりしている。場所は違うけれど小学生の頃から好きな景色だ。晴れた景色の中にたっぷりした水たまりや絶えない流れがあると、とても良い気分になる。

 春休みが終わって、どうしても大学へ行かなければならなくなったので、ぴかぴかの新入生にびくびくしながら門をくぐった。これまたぴかぴかしている同輩にぎこちなく笑って挨拶を返せば、みんな優しいことに軽くおしゃべりしてくれる。自分が情けなくなりながらも、心がうるおうのを感じた。ほとんど人と顔を合わせずに春休みを終えたので、知らない間にぱさぱさになっていたらしい。人と会うのが多くても疲れて、人と全然会わなくても癒されないのは不思議だ。

 帰りに花屋の前を通ったとき、ちょうど花屋の扉が開いたらしく、すごい濃度の花の香りがわっ!と過ぎていった。