15. 逃避

 ぼんやりと、なんとなく、ずっとしんどい。やわ〜くつらい。
原因が完全に自分にあって、どうしても自業自得で説明がついてしまうのも嫌だ。そして、困るのが自分ひとりの完全な自業自得じゃない、自業自得と迷惑かけのハイブリッドなのも嫌だ。

 嫌だからなんとなく逃げて、なんとなくつらさが軽減されて、逃げられないような壁ぎわまで来ていっそうつらい思いをする。そういうことをしている。傍から見れば、私に迫って追い詰めているものはちっぽけだし、下とか横とかにいくらでもすり抜けられそうな大きな隙間があるんだろうなって思う。私が片方の手で「追い詰めてくるもの」を自分に向けて動かしている、お人形遊びみたいな図に見えるまである。実際ほとんどそうなんだけど、だからつらいんだよって、言いたい。

 

 逃げている間に読んだハリー・ポッター、とても面白い。インターネットで何か読んだり動画を見たりして逃げているときとは全然違う、すっぽり包んでくれる安心感。物語に没頭することで、本当にきちんと逃げることができる。どうせ逃げるなら、逃げているその間、本当にしっかり逃げ切れていた方がいいと思った。